不動産鑑定士という資格をご存知ですか?弁護士、公認会計士、不動産鑑定士と並び称される日本の3大国家資格ですが、一般的にあまり馴染みの無い資格のようです。

 

この資格は、不動産の鑑定評価に関する法律を根拠とする国土交通省が主管する国家資格です。今回は、不動産鑑定士の査定と不動産会社の査定はどう違うのかを調べましょう。

 

日本の土地価額とは?

土地の価格は、一物四価といわれているように国や地方公共団体が公表する価格だけでも公示価格、基準地価(基準地標準価額)、相続税路線価、固定資産税路線価(固定資産税評価額)の4種類があります。

 

更に、実際に取引される価格である実勢価格という価格もあります。また企業でM&Aといわれる企業の身売りの際のデューデリジェンス(精査)で行われる資産評価の一環の不動産鑑定評評価額というものもあります。

 

不動産鑑定士とは?

前述の公示価額は土地鑑定委員会が定めるものですが、実務的には不動産鑑定士2名が個別に土地の価額を評価して調整することとなっています。

 

また、先ほどのM&A事案に関する不動産鑑定評価額を定めることができるのは不動産鑑定士です。不動産鑑定士は、独占的に土地の評価額に関して鑑定評価できる資格です。

 

不動産鑑定士の鑑定とは?

不動産は資産としての価値が高く、その価値を万人の認める評価額とすることが求められる場合があります。特に利害関係が対立する場合(裁判や取引)に客観的な評価額が必要となります。

 

不動産鑑定士は、上記の場面で要求される客観的な鑑定・評価額を算出する専門家です。そのために、鑑定価額を決める手法も定められています。以下の3種類です。

 

・収益還元法  得られる利益から元本となる土地価格を推定

・取引事例比較法  近傍の取引事例から土地価格を推定

・原価法  現時点で再び造成した場合のコストから現在価格を推定

 

これらの手法を併用することで客観的な土地の理論価格を求めていることになります。

 

不動産会社の査定とは?

不動産会社の査定価格は、売りに出すならこの価格で売買が成立する(可能性が高い)価格という位置付けです。言うなれば、株式相場での指値に相当します。

 

ただ、不動産会社は自社のデータベース(過去の実績)、対象物件の所在地近傍の実績、営業力から割り出した価格となります。このような背景がありますので不動産会社により査定価格は異なります。

 

まとめ

不動産鑑定士の鑑定価格と不動産会社の査定価格の意味合いを考察しました。株式相場でいうなれば理論価格が不動産鑑定士の出す鑑定価額となります。

 

不動産会社が出す査定価額は指値で、契約が成立した価額が実勢価額という位置付けです。不動産会社に査定価額は、社内の事情に依存するファクターが大きいので複数社から査定価格を聞き出すことをお勧めします。